布団の豆知識
快適な眠りを得るための布団の選び方や布団の種類や特徴、布団に求められる機能、布団丸洗いの適正等についてご紹介しています。
快適な眠りを得るための布団の選びかた
快適な眠りを得るためには、布団の知識が必要となります。布団に求められる機能、種類や特徴などをご紹介しておりますので、自分に合った布団を見つけるのにお役立てください。
布団に必要とされるいろいろな機能
- 布団に求められる機能
快適な睡眠環境を得るには、布団を掛けたときの圧迫感や寝返りのしやすさ等、布団にはいろいろな機能が必要となります。掛け、敷き布団別には以下の機能が必要です。 - 掛け布団に必要な機能
掛け布団には1.保湿性、2.吸湿性、3.放湿性、4.軽さ、5.体へのフィツト性等の機能が必要です。 - 敷き布団に必要な機能
敷き布団には1.保湿性、2.吸湿性、3.放湿性、4.体の沈みこみのない適度な硬さ、5.耐久性等の機能が必要です。
特に、敷き布団は体全体を支え、正しい姿勢を保つには、体が沈み込まず、寝返りも打ちやすい適度な弾力性と硬さが求められます。
中わたの種類が布団の特徴を決めます。
布団の基本は中わたです。
布団の特徴は中わたによって決まるといっても過言ではありません。中わたの種類によって、中わたの量や縫製のしかた、側地の条件まで決まります。現在使用されている中わたの特性ををご紹介します。
■木綿わた
古くから寝具の中心となってきたのが木綿わたです。睡眠中の体温を保ち汗を吸収して放出する機能や弾力性、へたりがきても打ち直しで、ふんわりした状態に戻る回復性などで親しまれてきました。掛け布団が軽いポリエステルわた主流に変わってからも敷き布団では木綿わたが多く使われています。適度な反発力で底づき感がなく、寝姿勢を快適に保つからです。
■ポリエステルわた(合繊わた)
ポリエステルわたは、軽くて保温性、弾力性、圧縮回復性、かさ高性に富むという利点を持っています。逆に欠点は湿発散性の悪さ、静電気の発生、打ち直しが利かないこと、万一の場合、燃え広がりの心配などがあげられます。ひとくちにポリエステルといっても、現在ではさまざまな加工、繊維形状のものが開発されています。保温性、弾力性を高めたもの、吸湿性、難燃性を持たせたもの、羽毛布団の機能に一歩近づけたタイプなどがあり、一概にポリエステルだから安価とは、いえなくなっています。
■混合わた
素材の特性を補い合って使われるのが混合わたです。敷き布団では、木綿とポリエステル混が一番普及しています。木綿わたの混合が50〜70%のものが中心で、耐久性、吸湿性、弾力反発性など、双方の特徴が生かされています。同じように羊毛とポリエステル混や、わたを混ぜずに二層式にしたもの、巻いたものもあります。
■絹わた
繭から取れる絹わたは、昔からぜいたくな布団わたとして珍重されています。薄く引き延ばしたわたの層を何百枚も重ねて造ります。他のわたと違い長繊維であるため伸度、強度ともに優れ、わたぼこりが出ません。空気を多く含み、保温性、フィット感は抜群。軽くて柔らかな肌ざわりで、吸湿性もあり、肌掛け布団としては最高といえます。しかし、造るのに手間がかかり、かなり高価。弾力性に乏しいのも難点です。
■羊毛
健康志向の高まりによって注目されてきたのが、羊毛や羽毛など、動物繊維のわたです。外部の温度や湿度との調和をはかる独自の調和作用が布団わたとして生かされています。羊毛はウロコ状の表皮が外気の変化に応じて開いたり閉じたりします。これが一定の湿度を保ち、吸湿発散によってサラッとした肌ざわりにします。また繊維の縮れが天然のスプリングの役目を果たし、繊維間に多くの空気を含むので、弾力性と保温性も抜群です。また万一のときも燃え広がらず、有毒ガスの発生もなく安心です。ただ繊維同士が絡みやすく、比較的カサ高が少ないので、敷き布団やベッドパッドに使われています。
■羽毛
冬暖かく夏涼しいと言われる羽毛布団。水鳥羽毛が、外気の状況に応じて温度と湿度を自動調整するからです。空気をたくさん含んで保温性が高く、サラッとした寝心地。軽く柔らかな感触。他の布団わたと違い10〜12ミリの小さな羽毛の単体で構成されているためフィツト感も抜群です。空気を抜くと大変コンパクトに収納でき、広げるとすぐふんわりとした状態に戻るのも大きな特徴です。健康の面からも安眠の条件を最も満たしているのが羽毛です。しかし、木綿わたや羊毛のように品質基準が徹底されていなかったため、優劣さまざまな質の布団がでまわっています。羽毛布団の良し悪しは、原毛の洗浄管理と羽毛の種類によって決まります。掛け布団の場合、理想はダウン(水鳥の肌の部分を包んでいるモヤ毛)95%、スモールフェザー(水鳥の表面を包む羽根のうち、小さく弾力のあるもの)5%のものですが、かなり高価になります。
羽毛布団に関する詳細は羽毛布団の知識・選び方をご覧ください。
布団の中わた比較
種類 | 保温性 | 吸湿性 | 圧縮回復性 | 反発性 | 軽さ | フィット性 | 最適な布団 | 丸洗い適性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
木綿わた | ※1◎ | ○ | ※2○ | ◎ | × | ※3 △ | 敷布団 | 最適 |
ポリエステルわた | ◎ | ※4 × | ※5◎ | △ | ◎ | ◎ | 掛布団 | 適 |
混合わた | ◎ | △ | ○ | ◎ | △ | △ | 敷布団 | 適 |
羊毛 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | 敷布団 | 最適 |
羽毛 | ◎ | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◎ | 掛布団 | 最適 |
絹わた | ◎ | △ | × | × | ◎ | ◎ | 肌掛け | 不可 |
◎=最最高 ○=大変良い △=まあ良い ×=やや欠ける |
※1=わたの含む空気の量に左右されるので、湿ったりヘタっていると保温性は落ちる。 |
※2=湿気を含んだままの場合は、回復性に欠ける。 |
※3=布団の厚みによって違い、薄手ならば良好。 |
※4=この欠点を補ったタイプのものも開発されている。 |
※5=いったんヘタってしまうと回復性は少ない。 |
季節、用途により布団はいろんな種類があります。
布団の種類
■掛けふとん
掛けふとんは、保温力に優れていること、軽く柔らかで身体になじむことが大切な条件です。
上掛け布団
いちばん上に掛ける厚手の布団で大ぶとんとも呼ばれます。和掛けと洋掛けがあり、現在、既製のものは洋掛けが多くなっています。
肌掛け布団
直接肌にまとう薄い布団。もともと防寒用ですが、春や秋に上掛けとして使うこともあります。表裏とも肌にやさしい柔らかい生地を使い、中わたも軽いものが用いられ、キルティング仕上げが多くみられます。
夏掛け布団
上掛けよりもサイズが小さく中わたの量も少ない薄い布団です。和掛けと洋掛けがあり、夏期に使うので麻や綿の縮み、リップル、サッカーなど軽くサラっとした生地のものが中心です。
こたつ掛け
こたつに掛ける布団で、正方形のものをはじめ、現在では長方形、円形など、こたつに合わせて様々なものが市販されています。装飾性があり、丈夫で汚れが目立たないこと、中わたは耐熱性があるものが望まれます。
かいまき
綿入れの着物を大きくした掛け布団で、中わたは肌掛け布団と同程度。
■敷きふとん
敷きけふとんは、保温性と弾力性、反発力があることに加え、寝ている間の汗を吸う吸湿性が大切な条件です。
二布半敷き布団
並幅の布団側生地を二幅半縫い合わせた敷き布団。幅90cm×長さ195cmが標準の大きさです。
三布敷き布団
並幅の布団側生地を三枚並べた幅の敷き布団。大きさは幅100cm×長さ190cmから200cm。
四布敷き布団
並幅の布団側生地を四枚並べた幅。標準は幅135cm×長さ190cmから210cmで、関西式と呼ばれるダブルの敷き布団。
座布団
座るときに下に敷く布団。用途や大きさによって部屋用、客用、玄関用、楽屋ぶとん、茶室座ぶとんなどがあります。
フォーム・マットレス
発泡体素材のフォームラバーやフォームウレタンを詰め物にしたもの。和式マットレスの大半がこれで、敷き布団の下に用います。
こたつ敷き
保温効果を高めるためには欠かせないアイテムです。中わたにはポリエステルとウレタンフォームが使われているのがほとんどです。
■毛布
毛布は、保温性、吸湿性があり、柔らかで肌ざわりがよいこと、フィットすること、洗濯に強いことが望まれます。
純毛毛布
ウール毛布には羊毛の優れた特性が生きています。暖かく、弾力性があって、柔らかな心地よい風合。それに、吸湿・放湿性がよいうえ、防炎性があること、静電気が起きにくいことなど、ウールならではの特色があります。種類にはウール100%、ラムウール(子羊の刈った毛)のもの、カシミヤ、キャメル、アルパカや、希少価値の高いピキューなどの獣毛を混ぜた豊かな風合の高級毛布も揃っています。羊の新毛(バージンウール)だけを使って、品質基準に合格したものには、品質保証のウールマークが付けられています。
合繊毛布
アクリル毛布の特徴は何といっても軽さと豊かな風合のよさ、虫喰いの心配がないことがあげられます。それに、独特な風合をもつ毛足の長い毛布を作れるのも、繊維自体が非常に軽いアクリルならでわのことでしょう。また、アクリル毛布が純毛毛布と大きく違うのは発色性に優れていること。色・柄も鮮やかな美しい仕上がりができるのが魅力です。吸湿性が無いという難点があるにしても、デザイン性と風合にバリエーションを持つアクリル毛布の良さが好まれて、需要を大きく伸ばしています。
■枕
枕は、敷き布団によって変わってきます。敷き布団の硬さを考慮に入れて選ぶことが大切です。枕の素材は、熱がこもらず、汗を吸・放湿させる、通気性が良いものが望ましく、また衛生的な洗える素材、ヘタリが少ない、型くずれしにくい素材、というのも重要なポイントです。
パンヤ
パンヤ科の落葉高木の果実の中の繊維で軽くて弾力性があり、感触はとても柔らかくて暖かです。ただし、少々ヘタリやすい性質があります。
そばがら
昔から愛用されてきたそばがらは、さわやかな寝心地が現在でも好評です。
ツーウェイ
そばがら面と柔らかいポリエステルわたの面と両面が使用できるので、季節によって自由に使い分けをすることが可能です。
半そば
ツーウェイ同様、片面がそばがら、もう片面にパンヤもしくは合繊わたが入ったものです。やはり、季節や温度、または好みによって使い分けることができるのが特徴です。
羽根
吸湿、発散性に優れた羽根は、とても快適で健康的な枕の詰め物といえます。高価なものですが、耐久性に優れているので、長年にわたって使用できます。
■ベッド用品
ベッド・スプレッド
ベッドを使用しないときに掛けるカバー。ホコリよけと装飾性を兼ねています。
ベッド・パッド
マットレスの上に敷く、ごく薄い敷き布団。吸湿性、耐洗濯性に富み、マットレスの凹凸を緩和する働きをします。
スプリング・マットレス
ベッドに用いる本格的なマットレス。オープンコイル(連結バネ)式とポケットコイル(提灯バネ)式があり、いずれもスプリングの間に詰め物を入れて、クッション性をよくしています。
■その他
タオルケット
素材は木綿がほとんどで、吸湿性がよく夏に使われます。保温性、耐洗濯性にも優れているため、現在では四季を通じて直接肌に掛ける寝具として使用されることも多いようです。紋織りのジャカード、シャーリング、プリントなどの種類があります。
ガーゼケット
タオルケットと同じく夏季の寝具。吸湿性、通気保温性、耐洗濯性に優れています。
キルトケット
表面にタオル地、裏面にガーゼまたは綿生地を使い、中に樹脂加工されたポリエステルわたをはさんで、キルティングしたものです。吸湿性、発散性、保温性にも優れています。
布団クリーニングご利用案内
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